赤城山の恵み

芥川龍之介

芥川龍之介ゆかりの地

赤城の桜

井川 恭「赤城の山つつじ」より

芥川は大正2年6月、二度目の赤城旅行の折にも同行の友人たちに興奮ぎみに言い続けており、こうしたことを考えると、明治44年の赤城旅行は青年芥川龍之介に強い印象を与え、人生の方向性を暗示するような出来事によって永遠に記憶される旅となっていたに違いない。

すそ野はながし赤城山

赤城山

日本百名山にも選ばれている赤城山は、群馬県の中心あたりに位置する渋川市の北東に、なだらかにその姿を現しています。榛名山・妙義山と並び「上毛三山(じょうもうさんざん)」として、昔から群馬県のシンボルとされている赤城山は、富士山に次ぐほどの高原大地を持ち、そのゆるやかさは「上毛かるた」という地元のかるたにも「すそ野はながし赤城山」と登場するほど。なので、それほど高さを感じさせません。「じゃあ、赤城山の標高って?」と思われた方。実は、赤城山は単体ではなく複数の山の総称なのです。面白いですよね。1,800mを超える最高峰黒檜山(くろびさん)を始めトータル8つの山々から成っています。

赤城山の四季

大沼

また、複数の山頂に囲まれた中央付近には、本州でも有数の透明度を誇るカルデラ湖「大沼」が広がり、周囲には「小尾瀬」と呼ばれる湿原「覚満淵」や火口湖の「小沼」が点在しています。春は千本桜で賑わい、初夏の新緑と秋の紅葉が湖面の深い青に映え、冬は綿帽子の世界。といった具合に四季を通して大変美しいエリアとなっています。

赤城神社

赤城神社

そしてこの赤城山をご神体としてお祀りするのが大沼湖畔に佇む赤城神社です。全国には約300の赤城神社があると言われていますが、この赤城山には大沼湖畔の他に、山腹にも三夜沢赤城神社が鎮座しており、どちらも趣深く参拝客が後を絶ちません。

赤城山の観光

ワカサギ釣り

群馬県は山々に囲まれた海なし県ですが、不思議と圧迫感はなく、赤城山に代表されるような身近に感じられる山が多いです。それぞれ持ち味が違いますので、ハイキング客や登山客の皆さんも様々なルートを楽しんでいらっしゃるようです。冬はスキーやワカサギ釣りも人気です。

山を登る方もそうでない方も、一度赤城の自然を満喫しにいらして下さい。芥川のように、虜になるかもしれませんよ。